イメージが広がり、デザイナーやユーザーを刺激してくれる作品をお待ちしています。
前回、そう言ってお別れしましたが、それについてもう少し。
アートバンクの登録作家に、徳岡麻実子さんという方がいます。彼女の作品が初めて送られて来た時、事務局では少なからず戸惑いました。どう評価していいか解からなかったからです。しかし、デザイナーである僕たちが彼女の作品に接した時、まさに想像力がびんびんに刺激されたのです。デザイナーとしての感性を揺さぶられました。あるデザイナーは、すぐに彼女の作品をワインのラベルにする事を思い立ち、なおかつ、画集にする事を申しでたほどです。
彼女の作品は、誰もがすぐに、その良さとかすごさを解かるような種類ではないと思います。けれども、一度、解かってしまえば、彼女の絵から受けるイメージはまさに無限です。
受けての感性が問われる絵だと思います。
こういう作品に出会った時、これこそがデザイナー冥利につきるというものです。
もう一人、アートバンクの作家の事に触れたいと思います。
小池誠さんという方です。
ご存知の方も多いと思いますが、小池さんは、アートバンクの枠を飛び越して今では有名な画家の一人となっています。まさにアートバンクの誇る大芸術家です。
小池さんの作品が、アートバンクに初めて送られてきた時、そのすばらしさと迫力に誰もが息を呑みました。彼の作品は、想像力に溢れ、独特の世界を持っています。見た人を虜にし、誰をもその世界に取込んでしまう不思議な力を持っています。彼の放つメッセージが、確実に我々に届いてくるのです。
しかし、それ故に、仕事を選んでしまうのではないか、と私たちは考えました。彼の作品の持つメッセージ性が、印刷物になった時にマイナスになると思ったからです。
その反面、これは、もし仕事のニーズに合ったら、すごい事になるぞ、と思いました。腕がなるとは、この事です。わくわくしました。
そして実際、小池さんの作品を使って、仕事をする機会に恵まれましたが、私たちデザイナーにとって、とても意義のある仕事になりました。
それは、「絵」として、メッセージやイメージを相手に伝えることが完璧な作品に、ユーザーの持つイメージやメッセージを重ねて、印刷物として完成させるという難しい仕事です。その手段を考えるのが、私たちデザイナーの仕事でした。難しいけれども、やりがいのある仕事でした。完成した時、心地よい汗をかき、充実感を覚えました。
このような仕事がもっともっと増える事を、願っています。作家のみなさん、これからもどうぞよろしくお願いします。 |