障害者アートバンクの、歴代大賞作家を中心とした原画展が、銀座の柴山画廊で開かれました。私も、もちろん足を運びましたが、今回はこの原画展の感想や、あらためて障害者アートバンク大賞作家の方々について思ったことなどを、言わせてもらいます。
原画展は、内容も会場の雰囲気もとてもいいものでした。来場した方々の感想も、「とても気持ちが落ち着く」、「自分の部屋に飾りたい!」、「心が和んで、やさしい気持ちになれる」などなど、好意的なものが多かったそうです。
アートバンクに登録されている作品は、印刷物に使用されることを前提としているため、暗い作品よりは明るい作品が好まれます。見る人の心を和ませたり、気持ちを落ち着かせる作品が多いのも、アートバンクのそんな性格からきているのだと思います。
と同時に、作家の方々の持っている何かが、私たちに訴えかけ、心地よい気持ちにさせるのでしょう・・・
その何かとは?
アートバンクの作家の方々は、いろいろな障害を持っています。精神的な障害と、日夜、向き合う毎日の人。思うように動かない体で、毎日を生きる人。明日の命さえわからない、死と向き合う毎日の人。彼らに共通しているのは、私たちにとってはあたりまえの事が、あたりまえでないこと・・・
そして、だからこそ何気ない毎日のちょっとした事が、彼らにとっては感動であったり、感謝の気持ちを持てたりできるのでしょう。
私たちが見過ごしてしまいがちな、日常の中の幸せ。生きている事の幸せ。そんな事を、再確認させてもらった、今回の原画展でした。
来場された方の中で、「この原画展には、障害者という冠はいらないですね」と、言った方がいました。
もちろん、そうです。障害のあるなしに関係なく、作品そのものを評価する。それが、絵を見る時の基本であるべきだし、作家への礼儀というものです。
ただし、今回の原画展であらためて思いました。障害者アートバンクの、特に大賞作家に関しては、障害を持つが故に(生と死と向き合い、毎日を必死で生きている彼らだからこそ)作品がすばらしいのだと。障害を持った彼らにしか描けない作品だと。
障害者アートという言葉が、敬意を持って語られる日が来るかもしれません。それは、私たちが彼らの作品を必要とするからです。
作者名や金額ではない、新しい価値観で、絵を選ぶ。そんな時代になった時、彼らの絵を必要とし、部屋に飾りたいと思う人はもっと増えてくるでしょう。
障害者アートバンクの原画展は、好評につき、また、2001年にも開催予定と聞きました。楽しみです。
今回、見逃してしまった方も次回はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?
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