題字「星」131

寒風吹きすさぶ中をトボトボ車椅子を走らせ、真暗な家に帰る私の背後に多くの人々の眼線があります。そんな時、オレこそ裸のガイコツと、ニンマリ笑えてきます。健康に輝く人々は、ガイコツの上に流行の衣装をつけ財産と名誉と誇りをつけ体制の中の拘束とゆう太いくさりもグルグル飾り、明るい家庭の団欒めがけ自信たっぷり歩いていきます。

トボトボノロノロと家路に向う私はさしずめ別世界人で同じ空の下で生きる人間に思えないのでありますが死を土台において生を見れば皆、同じガイコツ、不自由さの中で自由に物を見て、自在の心で人間を見れば皆、儚く滑稽に思えます。

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