題字「星」178

私がまだ若い頃、ボランティアとゆう言葉が、チラホラ、ちまたで聞かれるようになった頃、私の足となって車の運転をしてくれた人がいる。聞くところによれば前科何犯とゆう、恐いおじさんであった。刑務所に服役中、盲人の少年達の訪問を受け、おのれの人生の甘さに気づき心をいれかえたとゆう。

眼の見えない少年がおじさんの眼を開き、それからおじさんはボランティアに変身してしまった。

世間知らずの私を車にのせて、別世界に生きてきた私の話をニコニコときいてくれるおじさんの顔は、本当に天下一品であった。

恐いおじさんに心なごむのはなぜだろう。

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