題字「星」210

クリスマスイブの夜、私の兄弟たちは子供会に招待され、玩具や菓子をもらいうれしげに枕辺に並べ寝るのでした。歩けない私は子供会からも忘れられておりました。ところが私の住む富士川町の町長さんがイブの夜、きまって私にケーキをプレゼントしてくれたのでした。福祉が語られなかった昔の話です。長身の町長さんがかわいいケーキをこわきに抱えて訪ねてくれる姿はその頃愛読していた足長おじさんかジャンベルジャンそのものでした。ポッカリあいた私の心をケーキでうめ続けてくれた町長さんは政治の世界でも立派な功績をのこされ町民の賞賛を得て他界されたのでした。

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