題字「星」256

自然をクレー風の升目におきかえ切れぎれにして、その一つ一つの断面を顕微鏡下に覗くと、オー小さな断面の一つ一つに、強い力にむしばまれていった弱き生命の純粋で、清潔な涙のドラマがにじんでいます。
強いものとはたちはだかる自然であり、病気であり、腕力であり・・・今から4000年も昔、縄文時代 あふれる涙と困難を逞しくエネルギーに変化させ、現代芸術の一歩手前の仕事を無我でやりとげた人たちがおりました。 無意識のうちにフツフツとわきでる感性が現代人のように貧相でありません。はるか昔、縄文土器、編み目模様のリズムは切れ目なくウワバミのごとく続き、強い音響をかなでています。 素晴らしい作品群!
私はその土器の前で息をのみ、頭をたれました。縄文土器のすごさを最初に発表したのは岡本太郎でありました。 私の画塾は同氏の審査で度々、一位となりました。 ほしい人をなくしたと残念でなりません。

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