題字「星」268

ある日、子供の頃、庭に一匹のカラスがまいおりたのです。私と烏の距離はわずかに三メートル、しかも私を見上げて首をふりふり親しげに近づいてきたのです。驚きました。奇跡の出会いは、人生で一度しかない不思議なできごとで、宇宙人が飛来したようなもので、白昼夢です。 私が「カー」といいましたら、この烏も翼を広げて「カー」と鳴きましたからリッパです。 この烏君、夕方まで我家に滞在して利発なイタズラを数しれずやりとげて、夕焼けを背景に逆光の中、漆黒の姿を光らせ飛びたっていきました。 怪奇な姿とはいえ、鳥の中で最高に利口な烏は人間と楽しく遊ぶことさえ心えているのでペットに選ぶなら烏を是非と推薦します。
又、ある日、子供が路上でツバメの雛を拾い、私に育ててくれと手わたされ、弱りました。少々早めに自立して巣から落っこちた生命力あふれた燕の里親になって一週間、燕は見事に飛び立ち、窓から空に消えていきました。
身障児の心を癒してくれるのはイルカに限りません、生きもの総て癒しの対象なれど、信実求めていたのは人間の心なのですが・・・。

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