題字「星」277

広いグランドにドードーッと風が吹き過ぎました。するとまいおちていた多数の落葉がキリッと立ち上がり、私めがけてサーサーと行進で集まってくれたのです。
まるで落葉は兵隊で私は大将です。

それを見て手をたたいて子供のように喜べばよいのですが、アー幾年月、何とささやかな小さな事柄に喜びを見いださざるを得なかった私の人生でしょう。
でも、このささやかに生甲斐を見い出さない限り私の人生はありません。生甲斐も寂し私ナリ。
五月に蜜柑の花の薫りを楽しみ、車椅子を走らせ・・・・・。
9月に木犀の薫りを楽しみ、走らせ、走らせ、ささやかに、ささやかに、私の毎日は過ぎさります。
一度、私は無理解の人達に車椅子生活をさせて見たいと願います。
どんなに不自由なものか経験してもらいたいから、いえいえそうではありません。
車椅子の人生がどんなに寂しく単調なものか知ってほしいのです。

今日も犬も喜ばないおきまりの散歩コースを行きつつ、身障者に笑いと娯楽をと心から願う私です。

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