題字「星」281

「携帯電話がない頃のお話し」のんびりスロースロー電動車椅子をはたから見ていますと、まるでカタツムリで、喧噪の世からは見すてられた存在で無害安全、少々交通のじゃまかなといった、たちばですが。
実は貴方と同じで誰もしらない部分が数多いのです。

家の周辺を走行中はさしたることはないのですが、私のように町内を縦横無尽に走っていますと、時にパンクする場合があります。
その場合、子供が通るのを待ちます。子供はチップを受けとリ我家に知らせに韋駄天走り、車に椅子を乗せ帰還となりますが、人が通らない場所だと、なん時間も助け人を待つこととなります。
草におおわれた凸凹道も車輪がうずまり走れなくなります。その場合、椅子からおりて車椅子を座っておします。

先日も見あきた道にいや気がさし、家並の裏手にまわり細い道を危機感に汗ばみつつ走ってみました。右側はきりたつ崖でありました。ところが思いのほか獣道、スリップした重い車は崖淵に向ってすべりだし、もはやこれまで、前にも後にも身動きができず、ブレーキをかけ、私はいく時間も人の気配を待ちました。
やがてとっぷり日ぐれとなりました。
スロースローこの車から想像できない冒険をたっぷり味わう私です。

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