題字「星」332

寝たきりの人とか重度の障害者には笑うという単級な機会もめったに訪れない事をご存知でしょうか?私は時に心の底から笑いたい衝動に駆られ、我と我が身をくすぐってでも笑ってみたいと真剣に願う日があります。
先日友人から寝たきりの母親を喜ばせたい、何をしてあげたら良いかと相談を受けました。本当に些細な小さな小さな事柄に喜びを見出さざるを得ないお母さんは、きっと朝日の光が障子に射すと美しいと思い、窓をかすめる鳥の影にうれしく思い、窓わくを額縁として外の風景を見てカーテンのゆれに風の気配を感じ住んでいる部屋が人生のほとんど全てなのですから、どうか部屋の整理や掃除をこまめに外の緑が新鮮に見えるよう額のガラスをふいたり、カーテンを替えてあげたりしてあげてください。
お母さんが大笑いできないまでも微笑みと心の平安を、それは私自身の強い願いでもありました。

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