題字「星」338

モーツアルトの音楽は、あちこち童心がちりばめられ、安価な童心と違った耀くように高尚な童心だから現実にこんな童心にめぐりあいたいと、私は子供の世界に入った気がする。そしてしばしばモーツアルトの高貴な童心を感受する事が出来るのだから、車椅子の私の生い立ちによる特別の感受性がなせることかと驚く。普通の子供たちにモーツアルトを見ることが出来るのだから・・・
クラリネット五重奏曲の終楽章あたりを聴けば春の陽を燦々あびて踊りたわむれる童心と誰もが共に遊ぶ事ができ、それは至福の時間となるでしょう。
子供たちは野良犬やウンチの話をしてはばからず、この話が消える頃、私との惜別の時を迎えるのですが、ゴッホやベートーベンの手紙には一言として登場しないウンチがモーツアルトには登場するのですから、じっさい、もーほんとにこれこそ天性の童心に恵まれた天才と、変なところで私をほとほと感心させるのでした。

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