題字「星」354

制作中の絵の上に一滴絵の具をおとした子どもがおりました。完成するにしたがい他の絵の具に被われ、落とした絵の具は消え、問題にならない些細なことなのに子どもは怒り、絵をすてて帰りました。

絵の具を出せばチューブはその分へこみますが、それが気にいらず元に戻してと涙ぐむ子もいます。使い切った絵の具をクズ箱に捨てれば持って帰るんだーと再度拾わせる子もいます。

絵の具、上蓋に書かれた色表どおりに絵の具を並べないと気がすまず、延々と時間の浪費をする子、パレットいっぱいにたまった色水を洗い場に捨てに行こうとする三才児。

頑張れ、頑張れと叱咤激励する私、もし、こぼせば壁も床も絵の具だらけになるのです。

威厳も威嚇もない我が教室はすっかり解放された本物の子供心を十分見せてはくれますが、指導者はわたぼうしの心と鉄の忍耐が必要です。

それでも 私にとって 子どもは大きな救いですが、

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