題字「星」359

仲間とお酒を飲みながら、こんな会話を交わしました。
「頬が桜色だよ暖かそうだね、羨ましい」
残念にも私のコップはアルコールゼロのビールです。
「しかし、ほてるのは顔だけでね 足が暖かくなったら助かるのに」
赤い顔を気にしつつポリオの仲間が言いました。

あらゆる病気中、最も冷えるのはポリオとのこと。冷寒症とよばれ、二次障害の最たるもので下半身は氷につかったごとしの冷たさとなるのです。

「ほてるのは酒だけじゃ無いね、恥をかいても、女性がいても、やましい事でもほてるし、顔ほど正直者はいないよ」
仲間は声を上げて笑いました。

私の友人の重度障害者の女性は最近寝たきりとなり、会いたいと言えば、私に顔を見せたくないと言います。きっと悩み悲しみ絶望で顔がメチャメチャになった思いがするのでしょう。
その思いは私だってまったく同じなのに。
障害者も時として、障害以上に、顔が気になってしかたないことがあるものなのです。

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